「お客様のApple IDに関する認証情報が最新ではありません。」
皆さんは、こんな内容のメールを受け取ったことはありませんか?
私は先日、まるでAppleから届いたかのような、巧妙なフィッシング詐欺メールを受け取りました。
近年、Appleを装ったフィッシング詐欺メールの手口はますます巧妙化しており、一見すると本物と区別がつかないほどです。
うっかりURLを押してしまった、IDやパスワードを入力してしまった…なんて経験がある方もいらっしゃるかもしれません。
Apple製品を愛用している人にとって、大切なApple IDや個人情報が盗まれてしまうなんて、考えただけでもゾッとしますよね。
そこで今回の記事では、私が実際に受け取った「【Appleサポート】認証手続きを完了してください。」というフィッシング詐欺メールを公開し、その巧妙な手口を解説します。
この記事を読むことで、あなたは
- Appleを装ったフィッシング詐欺メールの手口
- フィッシング詐欺に引っかからないための対策
- 万が一、フィッシング詐欺サイトを開いてしまった場合の対処法
を理解することができます。
あなたのApple ID、そして大切な個人情報を守るために、ぜひ最後までお読みください。
実際に届いた「【Appleサポート】認証手続きを完了してください。」フィッシング詐欺メール(全文公開)
それでは、私が実際に受け取った「【Appleサポート】認証手続きを完了してください。」のフィッシング詐欺メールを公開します。

From:iCloud(statment-8v7a9o3cyu@creema.jp)
件名:【Appleサポート】認証手続きを完了してください。番号:AH-20146869922
Apple IDの認証が必要です
お客様のApple IDに関する認証情報が最新ではありません。サービスの継続利用のため、速やかに認証手続きを完了してください。
「認証手続きのご案内」
[認証ページへ]
最新の認証情報を入力し、Apple IDの確認を完了してください。
「なぜこの認証が必要ですか?」
認証情報が最新でない場合、一部のサービスが利用できなくなる可能性があります。
「手続き期限」
2025-03-03までに認証を完了してください。
ご不明な点はAppleサポートまでお問い合わせください。
Appleサポートチーム
Apple ID | サポート | プライバシーポリシー
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ここが怪しい!「【Appleサポート】認証手続きを完了してください。」フィッシング詐欺メールを見分けるポイント
先ほど公開したフィッシング詐欺メール、一見すると本物のAppleからのメールとそっくりですよね。
しかし、よく見ると、いくつか「怪しいポイント」があるんです。
ここでは、私が実際にフィッシング詐欺メールを見分ける時に注意しているポイントを、詳しく解説します。
- 送信元メールアドレスの確認
- 不自然な日本語表現
- 緊急性を煽る文面
- リンク先の確認(マウスオーバーで表示されるURLに注意!)
- 個人情報の入力を求める
送信元メールアドレスの確認
フィッシング詐欺メールの送信元メールアドレスには、以下のような怪しい点が挙げられます。
- 公式のアドレスと微妙に違う
例: appleid@apple.com → appleid@appleq.com、appleid@applesupport.●●●.com - フリーメールアドレス
@gmail.com、@yahoo.co.jpなどのフリーメールアドレスは、Appleが使用することはありません。 - 意味不明な文字列
今回のメール:statment-8v7a9o3cyu@creema.jpというドメインは、ハンドメイドマーケットプレイスのものであり、Appleとは無関係です。
不自然な日本語表現
フィッシング詐欺メールには、不自然な日本語表現が使われている特徴があります。
- 日本語が不自然、ぎこちない
- 誤字脱字が多い
- 機械翻訳のような文章

今回のメールは比較的自然でした。
緊急性を煽る文面
フィッシング詐欺メールは、緊急性を煽るような文面で送られてくることが多いです。
「アカウントがロックされます」「〇日以内に手続きを完了してください」など、急いで行動を促す言葉には注意が必要です。
読者の不安や焦りを煽り、冷静な判断を鈍らせようとする意図があります。
今回のメールでは、「サービスの継続利用のため、速やかに認証手続きを完了してください。」「2025-03-03までに認証を完了してください。」が怪しいですね。
リンク先の確認
フィッシング詐欺メールは、フィッシング詐欺サイトへ誘導するのが目的です。
そのため、メール内のリンク先URLが、Appleの公式サイトと異なる点に注意が必要です。
短縮URL(bit.ly、tinyurl.comなど)が使われている場合は、リンク先が分かりにくいため特に注意してください。
- パソコンの場合:
マウスカーソルをリンクの上に重ねると、リンク先のURLが表示される(マウスオーバー) - スマートフォンやタブレットの場合:
リンクを長押しすると、メニューが表示され、URLを確認できる
個人情報の入力を求める
フィッシング詐欺は、「ID」「パスワード」「クレジットカード番号」「秘密の質問」など、個人情報を本人に入力させて盗み取る詐欺です。
Appleが、メールでこれらの情報を尋ねることは絶対にありません。
フィッシング詐欺に引っかからないために ~私が実践していること~
前回のパートでは、フィッシング詐欺メールを見分けるためのポイントを解説しました。
しかし、手口は日々巧妙化しており、完璧に見抜くことは難しいかもしれません。
そこでここからは、私がフィッシング詐欺に引っかからないために、日頃から実践していることをご紹介します。



どれも簡単なことばかりですので、ぜひ参考にしてみてください。
- メールやSMSのリンクは絶対にクリックしない!
- 不審なメールやSMSは開封しない、返信しない!
- 二段階認証を設定する!
- セキュリティソフトを導入する!
メールやSMSのリンクは絶対にクリックしない!
「メールやSMSのリンクは絶対にクリックしない」ことは、基本中の基本でありながら最も重要な対策です。
Appleの公式サイトなど、よく利用するサイトはブックマークに登録しておき、メールからではなく、ブックマークからアクセスするように心がけています。
また、サービスを利用する場合は、公式アプリからアクセスすることで、フィッシング詐欺を最大限に予防することができます。
不審なメールやSMSは開封しない、返信しない!
届いたメールの送信元アドレスや件名に少しでも違和感があれば、開封せずに削除します。
また、メールやSMSで、ID、パスワード、クレジットカード情報などの個人情報を尋ねられた場合は、フィッシング詐欺を疑い、絶対に入力しません。
二段階認証を設定する!
二段階認証を設定することで、IDとパスワードが盗まれた場合でも、不正ログインを防ぐことができます。
Apple ID以外の、Google、SNS、オンラインショッピングサイトなど、利用している全てのサービスで二段階認証を設定しましょう。
セキュリティソフトを導入する!
セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つことで、フィッシング詐欺サイトへのアクセスを未然に防いだり、マルウェア感染を防いだりすることができます。
セキュリティソフトは、信頼できるメーカーを選ぶのがおすすめです。(例:ノートン、マカフィー、トレンドマイクロなど)
もし、フィッシング詐欺サイトを開いてしまったら?
どんなに気をつけていても、うっかりフィッシング詐欺サイトを開いてしまう可能性はゼロではありません。
今回の「【Appleサポート】認証手続きを完了してください。」を開くと以下のような詐欺サイトへ誘導されます。
本物そっくりのデザインで作られているので、間違えて個人情報を入力してしまわないように注意してください。


もし、フィッシング詐欺サイトを開いてしまった・入力してしまった場合の対処法について、解説します。
- 落ち着いて、すぐにブラウザを閉じる
- ID・パスワードを入力してしまった場合
- クレジットカード情報を入力してしまった場合
- 警察やフィッシング対策協議会に相談
落ち着いて、すぐにブラウザを閉じる
フィッシング詐欺は、本人に個人情報を入力させて盗み取る詐欺です。
IDやパスワードなどを入力していない場合は、タブやウィンドウを閉じてフィッシング詐欺サイトから離れればOKです。
ID・パスワードを入力してしまった場合
ブックマークや公式アプリから、本物のApple IDの公式サイトにアクセスし、パスワードを変更します。
他のサービス(Google、SNS、オンラインショッピングサイトなど)でも同じパスワードを使用している場合は、全て変更してください。
クレジットカード情報を入力してしまった場合
すぐにカード会社に連絡し、事情を説明し、カードの利用停止手続きを行ってください。
補償や今後の対応についても確認しておきましょう。
警察や国民生活センターに相談
被害状況に応じて、最寄りの警察署またはサイバー犯罪相談窓口に相談します。
また、今後の対応について、国民生活センターや消費者ホットラインなどに相談するのがおすすめです。
【重要】この対処法は、あくまで一般的なものです。被害状況や利用しているサービスによって、対応は異なります。必ず、各関係機関の指示に従ってください。
「【Appleサポート】認証手続きを完了してください。」フィッシング詐欺メール!見分け方と対策まとめ
この記事では、私が実際に受け取ったAppleを装ったフィッシング詐欺メールを題材に、その手口、見分け方、そして、万が一フィッシング詐欺サイトを開いてしまった場合の対処法について解説しました。
フィッシング詐欺の手口は、ますます巧妙化しています。
しかし、正しい知識と冷静な判断力があれば、必ず被害を防ぐことができます。
- 送信元アドレスや件名を鵜呑みにしない
- URLを安易にクリックしない
- ブックマークや公式アプリからアクセスする
- 個人情報の入力を求められたら入力しない
- 二段階認証を設定する
- セキュリティソフトを導入し、常に最新の状態に保つ
この記事が、あなたのApple ID、そして大切な個人情報をフィッシング詐欺から守るための一助となれば幸いです。